巨人からドラフト1位指名を受けた中大の西舘
◆背番号は沢村の「17」
西舘への期待の大きさが伝わるあいさつだった。この日、西舘に提示した背番号は「17」。巨人で初めて背負った沢村栄治(1935年に着用。翌年から永久欠番の「14」)や300勝投手スタルヒン、近年では「ミスターパーフェクト」槙原寛己らエース級が背負った。西舘の出身高、花巻東(岩手)の先輩で米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平の番号でもある。西舘も「特別な数字。高校からのつながりもあり、うれしい」と感激していた。
起用法は「まずは先発」と伝えた。アマとはレベルが違うプロの打者相手に場数を踏みながら、適性を探る方針だ。阿部監督は西舘について「三振がとれる。そこを一番評価したい」と期待を語った。また、「日本を背負って立つ大投手になってもらいたい。一生懸命やれば、なれると信じている」と激励した。西舘も「将来的に開幕ローテーションに入り、優勝に貢献したい」と意気込んだ。
◆「訳の分からない質問で『人間不信』に」
阿部監督自身も2000年、西舘と同じ場所から、同じ1位で巨人に巣立った。「こんな形で母校に帰ってくるとは夢にも思っていなかった」と懐かしんだ。その頃を思い出したのかもしれない。会見の最後に自らマイクを握り「お願い」をした。
1位指名後、多くの取材を受けた。「とてつもない数のマスコミ。申し訳ないけど訳の分からない質問(をされる)。そういうもので僕は本当に『人間不信』に陥ったことがある」と当時を振り返った。その上で「こうやってプロに来て、囲まれてというのは精神的にきつい。彼のことも今の巨人の選手たちのこともみんなで共有して、フォローし合いたい。この巨人と一体になってほしい」と期待のルーキーで大切な後輩である西舘への配慮を求めた。
◆報道陣も野球の勉強を
報道陣が「野球を勉強」することの必要性も語った。経験者以外の人も記者をやっていることを理解した上で「僕も博士ではない。野球を経験したことがあるだけだ。そこはみなさんと一緒に勉強していく必要がある。そういう中での質問なら答えがいがある。知ったかぶらずに聞いてもらいたいし、調べれば出てくる世の中。便利なツールを使って勉強してもらい、選手、巨人、プロ野球を見守ってもらいたい」と記者にもレベルアップを求めた。