<今、ジャイアント馬場を語ろう>格闘技ではなくプロレスのような「懐深い」市政を 元プロレス研の新潟・三条市長:東京新聞 TOKYO Web

連載③「馬場さんのふるさと」発信する新潟県三条市長、滝沢亮さん(37)

馬場さんと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、小学生だった1990年代の人気バラエティー番組「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」。馬場さんは早押しクイズの珍回答で笑いを誘い、早押しボタンをたたいて回答席を壊したこともありました。周囲を和ませる独特の優しいオーラがにじみ出ていました。

◆相手の持ち味を引き出す「受け」に説得力

私は大学時代にプロレス研究会に所属し「ポテト三郎太」のリングネームでリングに上がり、同じ新潟県三条市出身である馬場さんの得意技「河津かわづ落とし」を愛用していました。

新潟県三条市が輩出したジャイアント馬場さんについて語る滝沢亮市長

相手の持ち味を引き出す「受け」ですごさを見せるのが、プロレスの魅力の一つ。1ラウンドからKOを狙っていく格闘技と違い、お互いに組み立てていく。馬場さんは16文キックなど攻撃はもちろんだが、受けの説得力がある。第一線で戦っていた時代はリアルで知らない世代なんですが、懐が深いレスラーだと思っています。

このプロレス的発想は、政治にも通じると思っています。さまざまな考えの人が世の中に存在する。仮に、間違った意見を一方的に論破しても周囲の理解や説得力は得られない。まず相手の意見を引き出した上で、議論を組み立て展開していく。

最初からKO勝ちするのは「プロレス」じゃない。地道なレスリングを土台に効果的に大技を織り交ぜたような市政運営ができればと考えています。

◆世界をとった地元スター、子どもたちの励みに

2024年1月31日で、馬場さんが亡くなって25年。三条市は馬場さんの故郷として覚えてもらっている方も多く、市民有志の署名活動で、馬場さんは16年に名誉市民になりました。また市内酒造会社が製造した、馬場さんをラベルに使用した日本酒をふるさと納税の返礼品に盛り込むなど、市としても馬場さんを発信しています。

何と言っても三条市出身で世界をとった人。子どもたちに「地元の大先輩で世界で成功した人がいる」と知ってもらえれば、勉強やスポーツ、自分の夢に打ち込む励みになるはず。ジャイアント馬場を未来に伝えていきたいです。(聞き手・中谷秀樹)

   ◇

<連載:ジャイアント馬場が残したもの~逝去から四半世紀>
日本プロレス界の巨星・ジャイアント馬場さんが亡くなり来年1月で四半世紀を迎える。今もファンから愛される馬場さんがプロレス界や社会に残したものを、ゆかりの5人に聞いた。

「ジャイアント馬場 16文キックの伝説」

◆自伝を復刊、全国の書店で販売中

ジャイアント馬場さんの貴重な肉声を収めた自伝を復刊し、元付き人として馬場さんをよく知るレフェリー・和田京平さんのインタビューと時代状況がわかる序章も加えた「ジャイアント馬場 16文キックの伝説」を、全国の書店で販売中。定価1650円(税込み)、240ページ、四六判。



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